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神経内科の病気について
頭痛
不思議なことに脳(脳実質)は痛みを感じません。脳を手術しても大切な脳自体は痛みを感じないのです。感じるのは、脳の内では頭蓋内の血管、脳を包む膜(硬膜、クモ膜など),脳の神経(三叉神経)と脳の外では筋肉、筋膜、頭蓋外の血管なのです。頭痛は大きく分けて機能性頭痛と症候性頭痛があります。大部分を占める機能性頭痛には1)緊張型頭痛 2)片頭痛 3)群発頭痛があります。
- 緊張型頭痛は最も多く、その痛みはほとんどが両側性で、頭重感、締めつけ感のような重い痛みです。「ストレス頭痛」ともいわれ、精神的、肉体的ストレスにより起こります。
- 片頭痛は頭の片側に起こることが多く、ズキズキと脈打つ頭痛が発作性、反復性に起こり、音や光に敏感になり吐き気や嘔吐を伴うことがあります。
- 群発頭痛は年に1回程、毎日片眼がえぐられる様な激烈な痛みが起こります。
上記1、2、3のいずれも治療法があります。
脳卒中
脳は左右の内頸動脈と椎骨動脈の四本の血管から酸素や栄養が供給されています。
- 脳梗塞とはこれらの血管が詰まった場合をいいます。脳梗塞のできかたに、動脈硬化のため狭くなった血管に血の塊(血栓)ができる脳血栓と、心臓に異物(多くは心臓内にできる血栓)が脳に詰まる脳塞栓があります。
- 脳出血の多くは高血圧が原因で、脳の中を走る0.3mmから0.5mmの細い血管が高血圧のためにもろくなり、突然破れ出血し脳組織を破壊してしまうのです。
- クモ膜下出血 脳は柔らかく壊れやすいため、クモ膜という薄い膜で包まれており、その中は脳脊髄液という栄養液で満たされています。さらに、その外側は硬膜という厚い膜と頭蓋骨で包まれており、ちょうどパックの豆腐に似ています。くも膜下出血は、脳動脈瘤という動脈の瘤(こぶ)から出血するものが大部分で、他に若い人に多い脳動脈奇型などがあります。
認知症
認知症とは、正常なレベルまで達した知的能力が病気により、正常以下に低下した状態をいいます。この代表がアルツハイマー型認知症です。認知症を疑わせるチエックポイントは
- 記憶力の低下―同じ事を何度も聞く。
- 理解力の低下―テレビ、新聞の内容が理解できない。
- 思考力の低下―話の内容が回りくどく、同じことを何回も繰り返す。
- 判断力の低下―的外れな対応。
- 集中力の低下―返事のピントが合わない。
- 実行機能の低下―自分で薬などの管理ができない。
- 見当識の障害―時間や場所が不正確になる。
などがあります。
パーキンソン病
パーキンソン病とは中脳にある黒質という部分の神経細胞が何らかの原因で少なくなり、身体を動かすため神経に命令を伝えるドパミンという物質が不足するために起こるとされています。その症状は、手足などが振るえる、動作が遅くなる、筋肉が固くなる。姿勢を保つのが困難になる。これらの4大症状と、そのほかに、小刻み歩行、すり足などの歩行障害、声や字が小さくなるなどの運動症状、便秘などの自律神経症状、元気がなくなる精神症状があります。
その他、神経難病として筋委縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、筋ジストロフィー、重症筋無力症などがあり、また、てんかんも神経内科で診ることができます。